大塚家具の迷走は深刻
大塚家具が迷走している。10日に発表した2016年12月期決算は45億円の赤字で前期の3億円から6期ぶりに赤字に転落した。大塚家具は近親者同士の醜い権力争いのため社長が娘に移ったが、その経営手腕に早くも黄色信号が灯っている。
これまでの高級路線、会員制から誰でも気軽に入れる店へ形態を変えることを決定したが、低価格路線でもなく高級路線でもなく”中途半端さ”だけが際立つ最悪なパターンに陥っている。
これまでの客はそっぽを向き、重要顧客は匠大塚へ流れ、中流層はIKEA、ニトリで慣れてしまい今更、大塚家具という思考にはならない。決して安いものを安価で販売している訳ではないのだから。
長年培ってきた顧客の信頼とブランドイメージを自らぶち壊した責任は大きいだろう。一度崩れ去ったものを取り戻すことは容易ではない。今後、大塚家具の躍進する可能性はきわめて低いだろう。
薄利多売では無くいいものをじっくり時間をかけ販売する。接客数は少ないが客単価が高く満足度の高い店。それが大塚家具の神髄でありそれが会員制だったのだ。今後、ふたたび高級路線に戻す事は容易ではないが生き残るにはそれしかないようにも思う。決断までの時間はあまりない。次にどのような一手を打って出るか。注視したい。